欧州サッカー戦術&考察!

昔スポナビで運営してたブログサービスの引継いだブログ。ちなみにstramacioniは向こうでのユーザーネームです。

上半身と下半身。

上半身=頭で考える力。理論。

下半身=情熱。感情。現実的に実現出来る力。

ナンパ術ばっか見てても、実際やらないとナンパが上手くならないように、考える力と実現する力はイコールではありません。

剛腕も込みで、結果に繋げられる力が重視されます。

という事で、リヴァプールを叩き台に考察。

■上半身のロジャーズ、上半身+下半身のクロップ

●ロジャーズ「中央に人数かけて崩し切ろう!」

フォーメーションもさておき、めっちゃ中央に人数集めてました。

特に遅行時は数的優位で攻め切ろうとしていました。

これ、理論としてはいいんですけど、実際に中央に人数集めたらスペースがなくなります。

なので通常、縦のスペースを広げるCFと、横のスペースを広げるWGとのセットで語られる訳です。

過去バルサでは、ビジャとペドロとアウベスがその役割をこなしていました。

バイエルンでも、ロッベリー+ドグラス・コスタとレヴァンドフスキが幅を広げるから、ミュラーら中央の人達が自由に動けるのです。

さてリヴァプールはどうか?

そもそもサイド本職の選手を起用しない!

はい!無理ゲー!

「何がしたいか分からない」「選手がアンバランス」とは、ずっっっっっと言われて来た事です。

解決策はピッチ上にはなく、監督の頭の中にしかありませんでした。

●クロップ「シンプルに行け」

そんなアンバランスな状態から、ピッチを広く使い、コウチーニョを守備を軽くし、縦に速めに行こうという基本に戻しました。

しかしながら、ここでロジャーズの影が足を引っ張ります。

スペースに走る選手が少なく、縦パスが少ない。

ずっと「ボールは大事に」と教えられてきたのですから当然です。

こねくり回したいなら、スペインかイタリアへどうぞ。

プレミアリーグは、もっと「ダイレクト」に「シンプル」にゴールに向かう姿が求められるリーグです。

すなわちドルトムント式の方がハマる。

しかしながら、選手的にも今シーズンは期待しすぎない方が良いと感じます。

アイヴとミルナー次第では化けるかも。

■シュートが撃てなきゃ意味なくね?

シュートを撃たなきゃ、点は獲れません。

どこでシュートを撃てば決まるのか?

当然「ペナルティエリア内」です。

そのために、シュートカウンターしたり、サイドから攻撃してみたり、ボールを保持してみたりする。

全盛期のバルサでよく言われた「パスのためのパス」という批判はこれなのです。

*全盛期のバルサは崩すためのパスと、時間潰しのためのパスを使い分けていた。

全ては、シュートに行くためのモノです。

これを前提とし、シュートのために取れる選択肢が多ければ多いほど、良いチームと言えます。

戦術=選択肢。

ピッチ上に偏りを生じさせるなら、それに足る理由がなければなりません。

■まとめ

いかに理想的なサッカーでも、現実的に今いる選手で不可能なら意味がありません。

筆者がファン・ハールを推すのは、この能力が並外れて高いからです。

昨シーズンの、3バック→機能しない、ファルカオ→機能しない、に対して未練を見せる事なくスパッと見切り、プレシーズンで失格の烙印を押したはずのフェライニとヤングに適性ポジションを与えて、ルーニーを1トップに据えた形は、並みの監督には辿り着けない形でした。

この点で、マッツァーリやロジャーズはいつまでも「自分の理想の形」にこだわり、現実の選手とピッチ上のサッカーに対する柔軟性が欠如していました。

こういう話しをすると、ベンゲルさんはどうか?という話題になりがちですが、全然リアリスティックです。

「理想主義者の権化」というイメージがありますが、攻撃のピッチバランスも、選手の適性に合わせた起用法も、かなりの柔軟性があります。

一つの形(フォーメーション)にこだわる事はなく、バランスを取れる現実的な能力に長けています。

でなければ、毎年4位以内という偉業は不可能です。

同系統の監督は、過去記事の「シンプルこそ至高」で記述したエバートンのマルティネスです。

マルティネスさんは、ウィガン時代の可変3バックといい、エバートンでの徹底した4231といい、どのチームでも攻撃思考だが現実的なサッカーをしています。素晴らしすぎです。

パスミス→カウンターで一閃される所も一緒。

要は、奇をてらった事なんざしねえで、やってみて機能しねえんなら次を試してハマるまで試行錯誤しろ、という事です。

その試行錯誤のサイクルが早い監督が、優秀な監督という訳です。

という事で、皆様の好きなチームのシュートに至る道はどうでしょうか?

そんな事を意識して観てもらえたらと思います♪