スポーツ好きの考察。欧州サッカー&NBA。

昔スポナビで運営してたブログサービスの引継いだブログ。ちなみにstramacioniは向こうでのユーザーネームです。

ブランディング

久々に良記事を見つけたので、紹介。

日本と西洋のやり方を私なりに融合していきたい

詳細は読んでいただくとして、やはり日本の弱点は「ブランディング」です。

◼︎ブランディングとは?

ブランディング(英: branding)とは、顧客の視点から発想し、ブランドに対する共感や信頼など顧客にとっての価値を高めていく企業と組織のマーケティング戦略のひとつ。

wikiより

てなわけで、要するに「個人の見たいモノ、したい事を察知し、それを提供、創出する事」です。

例えば、この記事を読んで下さっているあなたに対して、どうすればより良い価値(情報)を提供でき、それによって満足してもらえるか?という事です。

以下説明。

◼︎基礎。

1、まず本業を頑張る。

いかに認知度を上げても、モノがダメでは意味がありません。

サッカークラブならば順位。

スポンサーならば、その商品の魅力。

このブログならば、記事の質の向上です。

まずはこれが根底にあります。

*ブラジルW杯の「Beats by dr.dre」の取った手法がとても面白いので、後述します。

2、認知度を上げる。

名前が見える頻度を上げ、「聞いた事ある」と思ってもらう状態にする事です。

有名な企業(人)を活用して名前を売る事も含まれます。

シーズンオフのアジア、アメリカツアーや、胸スポンサーなどが最たる例ですね。

代表的なモノだと、ユナイテッドの胸スポンサー。

オールドファンには、シャープがスポンサーだった事をご記憶の方も多いはず。

こういう効果を狙っています。

個人の活用に関しては後述。

◼︎目指すところ

⚫︎それを利用したい(観たい)と思ってもらう。

ゴールはここです。

2の認知度の延長なのですが、項目を分けます。

その前に…

我々がサッカーを観たい!と思う時のパターンは主に3つあって…

1、代表戦

W杯です。

国の最高選抜である代表チームが戦う…という世界共通の分かりやすい構図で、特にサッカーに詳しくなくとも観てみようと思う魅力があります。

日本の場合はドーハの悲劇に代表されるドラマが、この下地を作った部分があるので少々特別かも。

2、贔屓の選手の所属チーム

自国の選手が活躍するリーグor世界的に有名な選手がいるチームは気になりますよね?

3、本家CL、ACLなどの一番を決める大会

やはり観るなら一番いいモノを!という事でこれ。

以上3つのどれかを最も良い形で提供し、サッカーを見始めた人に興味を持ってもらうように環境を整えるのが、「ブランディング」という事になります。

という訳で次…。

⚫︎成功例、方法。

1、ユナイテッド。

ファーガソンの一貫した指揮により、ブレない現場のブランド力があったのは僥倖でした。

しかし、当然それだけではありません。

一番の肝は、アメリカ、アジアツアーを率先して行い、ファンとスポンサーを「獲りにいった」事が収益拡大の理由です。

上記の3をメインに、2を味付けに上手く使いました。

ツアー系は、何がそんなに?と思われるかもしれませんが、世界一のチームが自国の馴染みあるチームと対戦する…と聞いたら、観たいと思いませんか?

ベッカムクリスティアーノで、サッカーに興味の薄い層も引き込めたのも大きかった。

そしてそれと同時に公式サイトでの翻訳情報提示など、「遠くにいても知る事ができる」環境を整えていきました。

アジアでもプレミアリーグが人気なのは、こういった部分で差が出ているからです。

それによって「バスビーベイブス」「ミュンヘンの悲劇」、「カンフーキック」、「ベッカム顔スパイク事件」、果ては「ファーガソンの愛馬問題」などを多数の人が知る事になり、皆んなで共有出来た結果「あのチーム凄いよね」と思い出せるレベルまで持って行きました。

対照的に上記ミュンヘンの悲劇とほぼ同時代、同レベルの悲劇であるグランデトリノの「スペルガの悲劇」などは、ほぼ語られる事がありません。

「知らせる」と言う事は重要なのです。

2、レアルマドリード

ユナイテッドとほぼ同時期に、別の方法で収益を拡大していきました。

こちらは、完全に選手のタレントパワーでの売り込みです。

現役の「世界最高の選手」が観れる事をキラーコンテンツにし、売り込みました。

この方法は物凄く効果的で、現在の最高選手を獲得する事による戦力強化と、話題性によるチケット、ユニフォーム販売の強化とスポンサーの獲得など、直接的にも間接的にも効果があります。

他の基本的な方法(ツアーや公式サイト)は、ユナイテッドと一緒です。

ペレス解任で内向きになり収益超絶悪化しましたが、復帰後にまた解放し回復。

タレントパワーで売り込みの上手さと、フットワーク軽く色々やれるセンスの良さはさすがとしか言いようがない。

公式サイトの充実度は素晴らしいの一言。

売り上げ世界一は伊達じゃなく、確かな計算の元で行われていると言っていい。

3、バルセロナ

フェラン・ソリアーノの「ゴールは偶然の産物ではない」に詳しいですが、07年辺りの売り上げはユナイテッドの半分でした。

ここから巻き返すために、ソリアーノが現場に掲示した哲学は「カタルーニャの誇りを持ったクラブである事」。

ユナイテッドやレアルのように「世界的に開かれたクラブ」ではなく、「育成」と「ボール哲学」を大事にし、筋を通した経営をしていこうという指針を打ち出しました。

ツアーや公式サイトマーケティングは、ユナイテッドと同じです。

ソリアーノ自身が、収益改善のためにユナイテッドを真似たと記しています。

惜しむらくは、前会長がこの哲学を理解せず胸スポンサーを入れてしまった事です。

「ファンのためのクラブ」というメッセージを最も強く放っていたのが「胸スポンサーを入れない事」であり、アイコンであったはずなのですが、これをロセイがやっちまった。差別化出来るアイコンはお金で買えないんですけどね。

今現在ソリアーノさんはシティにいます。

ベギリスタインと共に、「グアルディオラを招聘するためだけに雇われた」なんて言われますが、FFP改善のために最善の一手なのは間違いなく、ちゃんとクラブ経営していこうというシティ経営陣の本気がうかがえます。

ソリアーノさんはライカールトをやたら評価しているので、シティの次の監督はライカールトさんやんねーかな?とか思ってみたり。笑

⚫︎共通重要項

1、成績。

少なくとも、5年に一回は優勝出来るくらいの戦力を確保する事です。

もしくは、ベンゲルさんのように4位を外さない力。

ここ10年で、ユナイテッド、シティ、チェルシーリヴァプールトッテナムエヴァートンといた中で、一度もCL出場権を逃さなかったのはとても凄い。

そのためには、一貫した哲学がどうしても必要です。

2、公式サイトの充実。

自チームの歴史紹介から、今いる選手達のウリ、監督インタビューなどの「情報」。

ユニフォームやグッズ販売、チケットなどの「販促物」。

外部委託でいいので、「公式で出来ること」を増やし、サッカーを知る手段が限られている国への手段を提供、サッカー先進国には、公式の見解とプレミアム感の演出を行います。

もちろん、各国の言語対応は必須です。

特に日本のような英語を得意としていない国々と、中国、インドのような、マーケットの大きい国へは、個別で対応していきます。

世界中から見てもらう事が出来る公式サイトの充実は必須かつ重要です。

⚫︎応用編の結果

日本では、カズさんや中田さん世代のセリエAファン、香川くん世代のプレミアリーグ(ブンデスリーガ)ファンと、世代によって異なります。

上記のサッカーを見始める理由で書いた通り、サッカーに興味を持つタイミングで変わるからです。

そしてここからチームを知ってもらいファンとなってもらうわけですが、昔はその手段が限られました。

本や伝聞、数少ないTV放送から知るしかなかった。

ゆえにクラブ側も「知ってもらう必要がなく」、限られた地域に情報を提供していれば良かったのです。

極端に言えば「我々が作る面白いモノを、あなた方が勝手に見てくれればいい」というスタンスです。

詳しく知るためには現地に行くしかない。

しかし、ここからユナイテッド、レアル辺りが常識を変え、「我々はこういう面白く、人気があるモノを提供しています。機会は用意しますので一度見てみてはいかがでしょう?」という提案型のスタンスに変わっていきました。

香川移籍後に日本語サイトに対応したドルトムントなどは顕著な例です。やる気があれば、需要にすぐに応える事が出来るのです。

ペレス会長が、コスタリカでのビジネスのために、ケイラー・ナバスを獲得した…とはよく言われます。

ファン基準で考えれば、本田を獲得しても特に日本に来ることもアピールする事もないチームより、何かしら自国のファンに対して意味のある事をしてくれるほうが、結果としてファンのためにも、クラブのためにもなるのです。

ケイラー・ナバスはマジ可哀想ですが…。

ファンに価値(利便性)を提供していく事が、これからのクラブに求められる事でしょう。

◼︎スポンサー側はどうか?

⚫︎スポンサーが上手くやった事例。

ユナイテッドと提携した「東芝メディカルシステムズ」ですね。

ユナイテッド側としては、最新機器導入と、必要な機器の開発依頼。

東芝メディカルとしては、スポーツメディカルシステムの最前線の情報の入手を。

両者に意味のあるモノになっています。

最近アップルウォッチに似た東芝ウェアラブル端末が発表されましたが、あれはコンシューマ向けではなくメディカル用で、これを支点とした商品だと思っています。

⚫︎スポンサーじゃないのに上手くやった事例。

W杯での「Beats by dr.dre」の方法が秀逸。

Beats by dr.dreとは、ヘッドホンメーカーです。

ブラジルW杯の公式スポンサーはソニーで、ヘッドホンが各選手に支給されていて、Beats by dr.dreの入る隙間はありませんでした。そこで取った方法は…。

なんと、ヘッドホンを選手に直接配ったのです!

よろしければ使って下さいという事ですね。

デザインが秀逸で、重低音を利かせた音質は選手に大受けし、バスから降りてくる選手がしているヘッドホンはほぼ全てBeats by dr.dreのものでした。

Beats by dr.dre大勝利!スポンサー料金を払わずに、公式スポンサーより目立ちました。

完全に喰われたソニーはどうするべきだったのか?

そもそもCMで製品を知らせる以外に、有効なコマーシャル手段を考えていなかったのではないか?

以前あったスポーツウォッチや音響機器などは、もっと売り出し方があったのではないか?

せっかくのW杯公式スポンサーなのに、全く記憶に残らないブランディングマーケティングは残念。

この反省を活かして欲し…W杯スポンサーは降りますか。そうですか。

◼︎そしてJリーグは?

それ以前の問題と言わざるを得ない…。

フォルラン入団発表の対応の遅れはこのゴールドットコムの記事をぜひ読んでいただきたい。

まとめると…

1、クラブ側の超有名選手の宣伝方法の理解不足。

2、宣伝用SNSをJクラブが持っていない。

3、海外からの観客に対する配慮(スタジアムまでの道順、チケットの買い方などの英語表記がない)が足りない。

です。

人を呼ぶ提案から仕掛けまで、全て欠けてしまっています。

野球でもよくやるスタジアムでの入団会見は、フォルランクラスの選手ならばやっても良かったと思います。

リンク先にも書いてあるように、海外向けには、このレベルの選手が来るクラブである事をアピールし、国内向けには世界的な名手がやって来るという周知を大々的に行い、もっと見たいと思ってもらえる仕掛けを意識していって欲しいです。

それと、単純に不思議なんですが、中田世代からすると別格の存在であるデルピエロを取りに行かなかったり、今だに日本では人気のあるロナウジーニョを獲得しにいかなかったりなど、集客の見込める(見たい人が多い)事柄に対して真摯に向かっていない気がするのは何故なのでしょう?

当時晩年だったとは言え、ジーコを呼び、レオナルドを呼んでいたあの頃は、もっと真摯に向かっていたんですが。

ブラジル人コネクションはあれがあってこその今であり、そろそろ次のコネクションを開拓する時期ではないかと思います。

中国はイタリアコネクションを大事にしていたり、カタールはスペインと懇意だったりで、最先端に触れれる機会が多い国のクラブがACLで成績を残しているのは、偶然ではないはずです。

日本では、夏の甲子園や、高校サッカーにも劣るブランド力になってしまったJリーグをもっとちゃんと考え直し、もう一度一から作り直すくらいの気概でもって改善に臨んで欲しいと思います。

◼︎まとめ。

「見てもらう」ということを、受け身で考えるのではなく、提案していく事が求められている時代になりました。

ノープランで待っていては、提案しているやつに根こそぎ持って行かれてしまいます。

…と言う訳で、W杯の事例をお話しを少し…。

主催はFIFAですが、あれほど大きい規模にになったのは「初めての地域でW杯を開催していったから」です。

チャレンジを厭わず広めていった結果、世界最大規模になりました。

アメリカ大会では、サッカー不毛の地での開催に異論が出ましたし、日韓大会は気温と天候が疑われ、アフリカでは運営能力そのものが疑問視されながらも、結果を出し、サッカーを世界中に広めてきました。

ブラッター会長が叩かれる事が多いですが、このW杯の開催方法は民主主義では絶対にできません。

UEFAが主催だったならば、上記懸念材料を盾に、まず間違いなく今まで通り欧州+南米開催…良くて先進国での開催が関の山で、世界的なお祭りにはならなかったでしょう。

この部分をブラッター会長はもっと評価されるべきだと思います。

…脱線した。

なので、Jリーグを本当に競争力のあるコンテンツにするならば、堀江氏も言っていたように「放映権を親日の国に売って利益と経験を得る」事をし、もっと外に向かって何かをする事をしましょう。

スカパー程度の言いなりで2部制に戻すなんて悲しすぎだよ。

本当の意味で価値を創出し、見に来る人を「呼べる」、そしてそれを「もてなす」事が出来る成熟度を身につけるため、頑張っていきましょう。