スポーツ好きの考察。欧州サッカー&NBA。

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年齢バランス

日本代表でたびたび話題になる「選手年齢」。

4年に一度のW杯に合わせて選手を選ぶ事は本当に難しいですね。

ドメネクのフランス代表の狂騒(就任当時、ジダンら中心メンバーを外したが勝てなかったため呼び戻し、そのジダン達がチームをまとめW杯(2006年)にて見事決勝進出し、マテラッツィへの頭突きで締めた)に見えるように、今結果を出してるベテランを切って早急に若手に切り替える事が良いとも言えない。

かと言って、上のフランス代表に勝って優勝したイタリア代表は、次のW杯(2010)で優勝メンバーを優先的に使い、世代交代が上手くいかず惨敗しました。

どのようにすべきなのか?

それを探すために、常に競争力あるチームを構築していかねばならない、世界のクラブチームではどういう感じになっているのか?というのを見ていこうというのが、今回の本題!

◼︎各クラブチームの平均年齢…の前に。

Sir Alex Ferguson監督が最近改めて出した言葉で…

「どんな組織を作るにしても、将来を見据えていかないといけない。…中略…。私は常に3年後に完成させたいチームを考えて動く。そのために若手を育て、成長の手助けをし、そして成功への道を用意してあげれば、より簡単に高性能な組織を形成することができるんだよ」

そして優勝し、引退時に残した…

「リーグを優勝したチームの年齢層バランスは素晴らしく、成功を継続するに値する」

…すなわち「年齢バランス」が重要な要素なのです。

⚫︎どこを基準に見るべきか?

よく言われる「全盛期」とは何か?

結論からいえば、「フィジカル」と「経験」のバランスが一番取れた「25〜28歳の選手」です。

⚫︎フィジカル

身体能力のピークは20歳前後です。

これは文科相の体力テストに代表されるように色々な所で証明されています。

そこから緩やかに落ちていき、特に32歳以降で敏捷性、持久力が著しく落ちて…分かりやすく言えば15歳相当の敏捷性まで落ちます。

中学生と高校生がスピード勝負をすれば一目瞭然なように、単純な敏捷性では年齢には勝てません。

しかし、筋力は落ちないので、パワー勝負では年齢が上がると有利になります。

この「敏捷性」と「パワー」のバランスが取れなくなる年齢が32歳以降であり、その年齢で引退がチラついてきます。

⚫︎経験

では、その敏捷性が優位な20歳前後の選手が無双し、世界最高の選手でいるかと言うと、そんな事もありません。

その説明には、ビジネスで言われる「新人から独り立ちするまでに3年かかる」というのが分かりやすいかと思います。

そのプロセスというのが、「知識」→「実践」→「評価」を繰り返し、学ぶというモノです。

プロセスを経て習熟するのが「3年後」という訳です。

サッカーならば…

知識=戦術やプレー選択を見る、覚える。

実践=試合で使えるようにする。

評価=トップ基準でできているのか?

を繰り返しながら覚えていく。

ユースからトップチームに上がった、もしくは移籍しリーグのレベルが上がった場合、知識と評価の基準が上がるので、そこを埋める必要があるのです。

トップ監督が言う「若手には出場機会が必要だ」とは、このためなのです。

他スポーツでも同様で、バスケットボールなどでもルーキーイヤー(1年目の18〜22歳)に活躍できる選手は数年に一度出るかどうかというレベルです。

安定した活躍をし始めるのは、デビューから3年程度必要になってくるのです。

経験の成長曲線はフィジカルの成長曲線と違い、環境によって差があるものの、大体は3年間の出場試合数に比例する。

トップチーム(リーグ)の試合に出て揉まれた後にこそ、選手の能力が分かるのです。

⚫︎この時点で完成か?

安定した活躍が「期待できるように」なった。

その後も経験は増え続けます。

トップチームのレギュラーに定着し、同様のプロセスでさらにサッカー力を上げて「常に安定した活躍」が出来るようになる。

そこに至るまで、更に3年かかると言っても突飛な話しではないと思います。

すなわち、フィジカルと戦術のバランスが最も取れている25〜28歳…ここがいわゆる「全盛期」の年齢になります。

◼︎トップチームの年齢バランスの考え方。

「25〜28歳の一流選手を多く揃えたチームが一番強い」。

しかしながら、当然その年齢のトップ選手はチームが放出する訳もなく、選手数も限られているため、次の策が必要になります。

それが、若手とベテランの組み合わせです。

⚫︎若手

適齢期の選手の値段は高い。

ならば、その前の21〜23歳くらいの選手を獲って育てれば良い。

今のトップチームがやっている手法です。

が、当たり前になり過ぎてこの年齢の選手も、全盛期の選手と変わらない値段になってしまいました。

ならばどうするか?

その下の18〜20歳位の青田買いに移行しました。

しかしながら、この年齢時点でトップチームのクオリティに足る選手は少なく、結局レンタルでたらい回しか、調子を見てのスポット起用しかなく、成長に必要な出場機会を与えきれずに芽が出ずに終わった選手が多いです。

これでは選手もチームも不幸です。

⚫︎ベテランを起用

28歳を越えて突然能力が落ちる訳ではないので、適切な選手が出てくるまで引っ張るという手法です。

18〜20歳の選手をスポット起用しながら、ベテランのコンディションを整えて起用し、若手育成とベテランのコンディション調整を同時進行していく。

それにより、若手には出場機会を、ベテランには休養を与え、理想的なローテーションが可能になります。

どうしても試合に出たいベテラン選手とはここでお別れする事が多いです。

ジェラード、ランパードファン・ペルシーなどがそうです。

それを受け入れ、必要とされる時に備えて集中して取り組める選手が残ります。

*読みの重要性と運動量の関係から、後ろの選手程選手生命が長いと言われます。

あとは意欲ですね。10年以上最前線でやってるなら、疲れててもおかしくないですから。

この二つを上手く組み合わせて調整する事が、「3年後に完成するチームを作る」という言葉に繋がるのです。

◼︎クラブチームの年齢バランス

⚫︎プレミアリーグ(CIESの調査結果から引用)

ユナイテッド 22.90歳

リヴァプール 23.07歳

アーセナル 23.12歳

チェルシー 23.98歳

シティ 26.64歳

*これは14-15シーズンに出場した選手全員の平均年齢です。

補強により、誤差あり。

⚫︎番外

バイエルン 25.17歳(メンバー25人)

(30歳以上7人、25歳以上9人、25歳以下9人)

レアル・マドリー 25.39歳(メンバー23人)

(30歳以上3人、25歳以上9人、25歳以下11人)

*現在のトップチーム登録者。

高齢化されたと言われるプレミアリーグは、そうでもなかったみたいです。

むしろ、バイエルン、マドリーの欧州2強が、平均年齢的が意外に高い。

その理由の違いが面白いので、ご紹介。

バイエルンは、25歳以上の選手でベンチメンバー(試合のベンチ入り選手は7人)を、ほぼ埋めてしまうという層の厚さが見て取れます。*25歳以上が16人。

ベテランの控えに若手枠を採用し、ガウディーノやキミッヒなどを入れる堅実なやり方で、層の厚みを確保しています。

馴染みのある、クラシカルながら確実な方法ですね。

レアル・マドリーの場合は、30歳以上が3人しかいない。

さらに25歳以下の内訳が凄く、21歳以下の…いわゆる育成枠が2人しかいません。(バイエルンは5人)

その2人というのは、コバチッチ、ウーデゴールです。

育成枠はウーデゴールしかいない。

ほぼ全盛期か、それの予備軍(21〜23歳)で構成されていて、下の年齢が高いため平均年齢が上がっています。

まとめると…

バイエルン→ベテランも多く、中堅もいて、若手も多いバランスの良いチーム。

レアル・マドリー→ベテランが少なく、中堅〜若手(26〜22歳)が分厚く、全員が戦力と言えるレベルにあるチーム。

レアルのチーム編成は、これからのサッカー界を見て行く上で参考になりそうです。

これが、Ferguson監督が言った「年齢バランス」です。

若ければいい訳ではなく、ベテランばかりでもなく、現在〜3年後を見据えてチームを作るのです。

◼︎代表

代表を考える場合には、ベルギー並みの若手軍団が出てこない限り、バイエルンのやり方を踏襲する方が意味がありそうです。

クラブチームの層の厚さは真似出来ないにしても、年齢バランスの構成の仕方は代表にも活かせそうですね。

長谷部、本田、香川、長友、岡崎、内田、吉田などの、ピッチ外の影響も含めて代えの利かない選手を別枠(ベテラン枠)とした場合、W杯開催時に30歳以上を代表に呼ぶスペースはほぼ無いと言って良さそうです。

具体的に言えば、88年生まれより若い選手を起用し、上記中心選手との相性を見ながら決めていく事が現状ではベターかと思います。

…が、以上の意見は「本戦の事のみ」を考えた場合です。

実際の予選では選手の好不調の波があるので、必ず「今が調子いい選手」という招集枠を作り、迷わず招集すべきだと思います。

クラブチームの構成に例えると…

ベテラン枠=絶対に外せない枠(本田ら数人) 7人前後

中堅枠=準レギュラー候補(柴崎ら数人) 8人前後

若手枠=調子の良い選手(特定の縛りを入れない選手達) 8人前後

で、構成すれば無理が出ないのではないかと思うのです。

ちなみに、前回W杯大会で、一番平均年齢が高かったのが…

アルゼンチン代表:28歳336日

で、優勝国が…

ドイツ代表:26歳114日

で、我らが日本代表は…

日本代表:27歳84日

で、出場チーム中15番目だそうです。

*一時情報「Infostrada Sport」。引用元Qoly様。

W杯本戦の代表は、育成枠がありませんので、クラブチームより平均年齢が高くなります。

これをそのまま鵜呑みにすると、W杯は3年後なので、今現在24.03歳のチームを作る事になります。

…若い。

そんな無理をする事なく、結果を維持しながらゆっくりと世代交代し、残り一年くらいになった段階でメンバー固めに入る位の、いい意味での「緩さ」みたいなモノを期待しています。

◼︎まとめ

チームの年齢バランスは、クラブチームは平均で「25歳前後」、代表は「27歳前後」が最もバランスが良く、選手の全盛期は「25〜28歳」、フィジカル能力の分岐点は32歳で、役割を受け入れてプレーするなら、まだ活躍出来ると言ったところです。

⚫︎年齢バランスが…

⚫︎平均より低い?

それならば、何年後かに来るピークを狙って育成中なので今は我慢のしどきです。何年後を狙って育成しているか?考えてみましょう。

⚫︎ほぼ平均?

ここ2年が見所です。最高に楽しみましょう♪

⚫︎平均より上?

過渡期に突入しつつありますね。補強は上手くやっていますか?

そんな視点でチームを見てもらえたらと思います。

お付き合いありがとうございました♪

◼︎後書き

駆け込みで決まった、アントニー・マルシャルさん。

ラカゼットや、レヴァンドフスキイグアイン、オバメヤンはいくらなんでしょうね?

オースティンやベラヒーノは?

正直、10代の選手にこの金額はぶっ飛びすぎです。

W杯出場経験ありで、エールディビジ得点王のデパイが50億で、フル代表の経験もない19歳が60億?

…とまあ、散々くさしましたが、久々にユナイテッドっぽい買い物(ロナウドやナニ的な)なのがちょっとテンション上がります。笑

今回の記事で書いた「活躍出来る年齢は少なくとも3年後」という事からすると、使いながら育てる期間が必要で、すぐに活躍を期待するのは間違いでしょう。

それならば「今」計算が立つ選手を買って欲しかった…というのは事実です。

しかしながら、順当に伸びていった場合、デパイ、ショー、ペレイラヤヌザイらがモノになり始める数年後に、非常に魅力的な攻撃陣になる事もまた確かなので、それが凄い楽しみではあります♪

メンバーを固定する事なく、上手い事使いながら回して育てて欲しいと思います♪