モウリーニョの夏。
バルセロナの通訳からスタートし、ポルトでCL優勝、チェルシーで一時代を築いた「駆け上がり期」。
相思相愛に見えたインテルで三冠を置き土産に、バルセロナの宿敵レアル・マドリーへ。
そこで歴史に残るグアルディオラバルセロナに全力で挑み、リーグを奪還して精も根も尽き果てた先で気付いた本当に重要なモノ…サポーターの愛が待つチェルシーへと渡った「名声期」。
チェルシーで愛を受け、有望な若手を率いた1年目、優勝した2年目と順風満帆に見えた。
そして突如起きた「エヴェ事件」。
混乱は収まらず、少数精鋭の選手のコンディションは上がらず、見る見る落ちていく順位。
しかしながら、誰もが思った「モウリーニョなら大丈夫だろう」。
そこから1ヶ月が経ち、2ヶ月が経ち、上がらない順位とピッチ上のパフォーマンス。
相思相愛のチェルシーで、折り合いの悪かったはずのアブラモビッチとも「大人の会話」が可能になり、「成熟期」に入った先で、まさかの「解任」。
それから半年を経て、ファギー引退時の後継者として真っ先に名前が上がったクラブへと、ついにモウリーニョが降り立ちました。
■現時点での補強
CF→イブラヒモビッチ
2列目全てこなせる→ムヒタリヤン
DF→バイリー
です。
■慧眼は錆びず。
●最初の補強が無名のバイリー
補強が「DF(CB)から」というのがチームの見る目を証明し、しかもバイリーという無名選手だったのが、監督のパーソナリティの証明。
怪我がちな身体能力の高い二人(スモーリング&ジョーンズ)以外に、本職のCBがいない(ロホ+ブリント共にSBが本職で、マクネアとメンサーは…ね、ほら)ので、プレミア対応の身体能力と体格を持った選手が必須でした。
しかも、動画見たら上手えのバイリーさん。
右利きながら左CB&SBこなせる足下と、リーガレベルでは当たり負けしない強さが際立つ。
黒人の身体能力、羨ましすぎる。
*動画はこのスポナビでは貼れないので、検索してみて下さい。
ヴァランのレベル(モウリーニョ談)という期待値と能力であり、少なくともスモーリング&ジョーンズの代わりが務まるくらいのポテンシャルはあるでしょう。
ついに「走り負けないCB」が誕生か?
●そしてイブラヒモビッチ
インテルで袂を分かった「勝利を愛する男達」が、7年の時を経てユナイテッドで再会です。
ユナイテッドでは、同じスウェーデンのレジェンドである「ラーション」が晩年に1年間だけ来て大活躍して行った事が思い出されます。
*イブラヒモビッチが代表で唯一「気を遣って」プレーしていた人。
ファギーの契約延長の申し出を断って、母国リーグのために帰って行ったという、いぶし銀な男です。
ファギー&カントナが方向付けた、「熱いメンタリティ」と「勝利に誠実で全力を尽くす事」にバッチリハマるイブラヒモビッチを、サポーターが愛さない訳がない。
しかも、上手いポストプレーヤーと組んだ時のルーニーの輝きは、知る人ぞ知る事実。
スピードは年齢と共に落ちるが、パワーは年齢40歳がピークなのは文科省の統計からも明らかです。
もちろん、テクニックは年齢と共に上がる。
スピードに頼るプレースタイルではないイブラヒモビッチの強みは年齢では失われない。
走れなくなった分は、マルシャルとリンガードに走ってもらいましょう♪笑
●極め付けにムヒタリヤン
リンガード&マタで目処が立ったと思っていたら、妥協のなかったモウリーニョさん。
右左サイドからトップ下まで、二列目全てをこなせる「万能選手」を獲得。
これで、どのポジションも三人以上となり、誰が怪我してもローテーション可能。
ウィリアンやエジルのように、「ボールを落ち着かせる選手」である事に期待♪
*マタについて。
前々から指摘している通り、マタは「プレミアにおけるサイドハーフの水準」を満たしていません。
具体的に言えば、香川と同じ。
トップクラブで活躍している選手は「他と連動しないと何も出来ない」という選手は存在しません。
シルバやエジルは「自分がボールを持った状態から」スペースを作り出します。
そのスペースを活用した結果、素晴らしいパスが通り、ドリブルは安定し、クロスは適切なタイミングで上がってくる。
つまり、「連動する」事が出来る。
バレンシアやヤングは、スペース管理は上手くないが、無理矢理抜いたりクロスを上げられる身体能力と技術がありますので、結果的に似たような事が出来ます。
共通なのは「独力で違いを作れる事」。
その小さな「違い」の積み重ねが能力の証明になり、試合での違いとなります。
●ちなみに、モウリーニョが重用してきた選手達
第一次チェルシーでロッベン(ダフ)とジョーコール、二次チェルシーでアザールとウィリアン、マドリーでロナウドとディ・マリア、インテルでエトーとサネッティ&マイコン(当時紛う事なき世界最高SBだった)です。
高速ドリブラー+走れる万能選手の組み合わせ。
ユナイテッドでは、マルシャル&リンガード(ムヒタリヤン)が上の組み合わせに最も近いでしょう。
●トップ下は?
「フィジカルの鬼フェライニ」そして、「セスクの後継者、アンデル・エレーラ」、さらには「ミスターユナイテッド、ウェイン・ルーニー」がいます。
*ついでにデパイさんも。
超絶激選区で、かつ役割も被っていないため、このポジションは鉄壁。
モウリーニョの歴代トップ下は、スナイデル、エジル、オスカル(セスク)とファンタジスタが並ぶが、ルーニーは同レベル。
ムヒタリヤンとエレーラで緊急時にも対応で、とりあえず今年はOK。
来年か再来年か、ルーニーがポジションを下げる時には…また論争しよう♪
■さらにあと一人!
前線〜二列目は揃ったので、中盤です。
平たく言えば、モウリーニョ好みの「走り倒せる中盤」しかないでしょう。
…マティッチか?マティッチなのか??
近年で最も過小評価されている「サッカーの天才キャリック」を筆頭(パス成功率No. 1)に、スコールズのような機を見た攻撃参加と縦パス能力を見せる「シュバイニー」、荒削りは走りでカバー「シュナイデルラン」、トップ下と兼任の「エレーラ」と、中々な人材が揃ってます。
ここにマティッチ(的な人)を加えて、少数精鋭を肝としてきたモウリーニョさんが、昨シーズンの手痛い失敗を経てついに殻を破る(ローテーションを使う)のか?
獲得だけでなく、放出まで含めた全体で注目です。
■まとめ
ファギー時代にも、これくらい金使ってたら良かっ…ry
ともかく!!!!!
早くも的確な補強が飛び交いました。
どれもが重要な補強で、即戦力になってくれそうなのが流石すぎです♪
もういっこのマンチェスターが、スーパー渋いノリートとギュンドアンしか補強してないという、怖い過ごし方をしています。
ナバス、ナスリ、シルバ、デブライネ、スターリングでサイドプレーヤーはいけんのか?
フェルナンジーニョ、フェルナンド、ギュンドアン、デルフじゃ中盤足りなくね?
DFはコンパニとオタメンディは当確として、足下ないマンガラと、年齢が厳し目なデミチェリスで大丈夫なのか?
まさかプレミアリーグで3331やるの?
そんな中ワントップだけはアグエロで決まり!
…シビアに選手選択してきたグアルディオラさんにしては、あまりに動きがなく、フォーメーションの予想すら立たない怖さ。
ユナイテッドのあと一人と共に、まだまだ楽しい夏になりそうです♪